出版社/著者からの内容紹介
ビジネスの世界と法律とは、切っても切り離せない関係。その中から、日常のビジネスと比較的密着した法律を取り上げ、分野ごとにポイント解説。何か事件にぶつかったとき、おかしい、何か変だと考えることができる、法律的なものの考え方をマスターしよう。
抄録(「電子書店パピレス」より)
・売買契約書では三ヵ条もあれば十分か?
契約書を作成するのだからといって、重箱の隅をつつくほどこと細かく内容を記載する人がいます。あまりにも詳細な契約書は、相手もいやがりますし、逆にこちらの首を締めるおそれが生じないとも限りません。
契約書の作成でまず大事なことは、契約の当事者の表示をキチンと書くことです。相手が会社や法人の場合には、その代表者が契約名義人となります。
たとえば、売買契約であれば、何を売買するのか(契約の目的物の特定)、いくらで売買するのか(代金額)、支払時期はいつか、の三点が明確になっていれば、基本的な条項を備えたことになり、これで欠陥のない契約書といえます(もちろん十分な契約書とまではいいませんが)。
もちろん、契約書を交わした年月日や、署名押印は必要ですが。
こう書くと、手付金はどうだ、契約違反の場合の損害賠償はなどと思われる方もいるでしょう。
でも、安心してください。取引の基本法ともいうべき民法で、売買契約に関するたいていのことは規定があるからです。契約書に書かれてない事柄で、モメるようなことがあれば、後は民法の条文や慣習が補ってくれるわけです。
・最悪のケースを想定してつくるのが契約書
神様の世界では、契約書は無用の産物です。神様なら、間違いを起こすこともないでしょうし、また約束を破ることもないからです。
契約書をつくる前提には、約束が守られなかった場合のことを想定して、いろいろな条項を書き入れます。ビジネスの世界では、契約を交わすと、それを土台として次々とその上に仕事が組み立てられます。土台が崩れると、会社は大きな損害を被ることになるわけです。
ですから、一つには必ず契約条項を守ってもらえるような拘束力を持つ条項を、またもう一つは、それが守られなかった場合の損害の補填を定めた条項を入れておくことが欠かせません。
契約書を作成するには、確かに法律知識も必要ですが、取引社会における健全な常識と公平な精神をもって、作成にあたることが何よりも必要です。
著者について
内海 徹(うつみ とおる)
法律ジャーナリスト
1941年宮崎県生まれ。1963年早稲田大学法学部卒業。同年自由国民社(株)に入社。法律書編集部に勤務。数々の法律書の編集を手がけ、法律知識の大衆化に努める。 1992年同部編集長を経てフリーライターとして独立。現在、執筆・編集企画など多方面で活躍中。
〈主な著書〉『うまく別れるための離婚マニュアル』(共著)『住宅ローンの有利な組み方』『債権回収マニュアル』(いずれも自由国民社刊)、ほか多数。
序章 中間管理職にとって法律知識が要求されるわけは
1 会社は利益を追求するための集団である
2 会社における中間管理職の法的な立場は
3 法律知識を身につけることは会社のリスクマネジメントだ
4 有能な人材を育てる
5 それでも法律問題や事故が発生したら
ポイント
第1章 取引に関する法律知識
1 取引の基本は契約だ――契約はどうして重要なのか
2 どんな取引の場合に契約書が必要か
3 契約書を作成する場合のポイントは
4 商品代金や商品受渡しに関する法律知識
5 クレームにはどう対応したらよいか
6 広告・販売方法を規制する法律知識
7 取引先からの代金回収が滞ってきたら
8 取引先が危ないときの債権回収は
ポイント
第2章 人事労務に関する法律知識
1 募集・採用に関する法律知識
2 労働時間に対する規制が厳しくなってきた
3 残業や休日労働の割増賃金の計算の仕方は
4 年次有給休暇と時期変更権
5 部下の昇格や昇給で注意することは
6 配置転換や出向命令を出すときの注意
7 人的なリストラを進めるためには
8 どんな場合に懲戒解雇ができるか
ポイント
第3章 財務管理に関する法律知識
1 手形を振り出す場合にやるべきことは
2 手形を盗まれたり騙し取られたときは
3 経理部員が無断で手形を偽造して割り引いたときは
4 粉飾決算とはどんなことをいうのか
5 経理課員が会社の金を使い込んだときは
6 税務署の調査にはどう対応したらよいか
7 申告後に税金の不足に気づいたら
8 商業帳簿と経理資料の保存期間は
ポイント
第4章 総務に関する法律知識
1 債権管理に必要な法律知識
2 取引先が倒産寸前であることがわかったら
3 自動車の管理の仕方は
4 会社の財産の管理の仕方は
5 株主総会を開くときの手続きは
6 総会屋対策のための法律知識
7 株主代表訴訟に対する対策は
8 不渡りの回避が困難な場合の選択
ポイント
第5章 最近会社で起こりがちな法律問題
1 上司のセクハラで会社は責任を負うのか
2 会社が社員に掛けた団体生命保険金は会社のものか
3 過労死や過労による自殺をした場合の救済法は
4 住宅ローン破産急増……あなたは大丈夫か
5 インターネットと著作権侵害
6 改正民事訴訟法の施行で何が変わるか
7 社員の犯罪についても会社は賠償責任を負う
ポイント