出版社/著者からの内容紹介
職場や家庭でのストレス解消のためパチンコに依存する人、または単に無自覚・無防備なためにパチンコにハマっていく人……。依存症は広い意味での心の病で、薬では治らない。そこで本書ではパチンコを確率論的に分析。その“確率の世界”の仕組みを明らかにすることで「勝てる」という幻想を崩し、パチンコ依存症を乗り越えるための方法を伝授!(脱却のためのプログラム付き)
――「出る台」「出ない台」は存在しない! 確率は常に一定で、すべては確率のなせるわざだった!
抄録(「電子書店パピレス」より)
(1)「波」に対する誤解例
「この台は今日は出ない」
「突っ込んだので出るようになった」
「ハマリの深い台と浅い(すぐ出る)台がある」
「台は日によって調子が違う」
「台には波がある」
「連チャン後はハマリがきつい」
「たくさん出た翌日の台は調子が重い(出ない)」
「サラリーマンの帰宅時間帯に出るようになる」
「出る台をキープすれば勝てる」
「波を読めば勝てる」
「調子が出てきた台はとにかく出る」
「ハマリ台に当たるとロクなことはない」
etc・嗚呼(ああ)!
ホールで観察したり、言葉を交わしたりして驚くのは、こういった誤解の数々である。九割以上の人々(ほとんど全員)が、間違った考えを抱いているのではないかと思うほどである。なぜ、こうも間違った考えを持つに至ったのだろうか。
答えは簡単明瞭で、「台」にこだわっているからである。何度も言うが、台が大当たりを出すわけではない。台で大当たりを引くのである、という根本を忘れているか、気づかずにいるかのどちらかなのである。挙げ句の果てに、「台に波が宿っている」と信じている人が結構多い。台はルーレットに過ぎないのである。ルーレットに波が宿ろうはずもない。
たまたま大当たりをたくさん出した結果をもって「優秀台」と呼んでいるに過ぎず、つまりは結果論である。「優秀台」だから出たのではない。もし、その台に運の悪い人が向かっていれば、当然「大ハマリ台」という結果になったはずである。
時間帯によって(サラリーマンの帰宅時間帯に)出るというのも、急に人数が増え、当然試行回数もハネ上がる結果、大当たりも増えるだけである。
「ハマリ台に当たると……」
ハマったのはあなたであって、台に罪はない。
パチンカーは台と闘っているわけでなく、(あえて言えば)確率と闘っているのである。
玉が、電子ルーレットで大当たりの数値を引く、これが唯一の大当たりの原因であって、他の理由はない。「波」が来たから、たくさん出たのではなく、たまたま大当たりをたくさん引いたのを「波」と称しているだけなのである。世の中には、よく原因と結果を逆転させて言う人がいるものだ。
波とは、確率の世界が織りなす、気まぐれな一時的片寄りなのである。
廃棄されたパチンコ台を見てほしい。「波」を宿すような神秘的な機械だろうか?
著者について
伊藤 耕源(いとう こうげん)
1951年、宮城県生まれ。宮城教育大学卒業、地方公務員、みやぎ災害救援ボランティアセンター委員。読書、音楽、山歩きが趣味。
より良い生のあり方を探り、実践化しようと友人たちと『実践塾』(塾長・森俊博氏)を興し、読書―批評活動、地域社会への働きかけを積極的に行っている。著書に「ニッポン大家族」(早稲田出版)がある。