出版社/著者からの内容紹介
「どうしたら自分に合った仕事を見つけられるのか?」。1000人を超える経営者と2万人の学生から絶大な信頼を集める敏腕コンサルタントが、この難問を解決します! これから就職活動を始めようとしている学生、社会に出て間もない若手ビジネスマン必読の書。「何がやりたいのか、何ができるかもわからない」、そんなあなたの背中を押してくれます。
抄録(「電子書店パピレス」より)
「やりたいこと」と「給料」が反比例すると思うのは錯覚である
えてして多くの人は、自分の「やりたいこと」と「収入」は反比例すると考えている。自分のやりたいことや楽しいことを仕事にすると、給料は安いものと決めてかかっているのだ。
だがこれは錯覚である。
現実の世の中を見渡すと、やりたいことだけをやって、なおかつお金を稼いでいる人は大勢いる。
テレビ番組「マネーの虎」に出演されている生活創庫の社長、堀之内九一郎氏は、子どものころから機械いじりが好きで、家にあるものを手当たりしだい分解して遊んでいたという。
それがリサイクルショップを始めたときに非常に役立った。ただで拾ってきたものを、新品同様に修理したり、ユニークな製品に仕立てあげたりして大儲けしたという。
また、ソニー創業者の井深大氏は、子どもに買い与えたはずの玩具を、子どもに渡す前に自分で遊ぶのが常で、分解してしまって元に戻らなくなったことさえあったそうだ。その遊び心が、多くのユニークですぐれた製品を生む基本になったにちがいない。
仕事は楽しくやったほうがスキルもつくし、新しいことも思いつくし、向上もするものだ。当然、どこに所属していようと、自分の価値を上げることができるから、自立もしやすい。それは収入にも結びつくし、そのほうが人生も楽しくなる。
今は大丈夫に見える会社でも、三十年後にはなくなっているかもしれない。あるいは、自分がこの世にはいなくなっているかもしれない。人生の終わりは、神のみが知ることで、いつその時がくるのかはわからないのだ。
だから三十年後の安定を求めて仕事を選ぶのは馬鹿げている。
それよりも、今やりたいことをやったほうが絶対いい。つまらないと思いながら仕事をしていたのでは、たとえ会社が無事だったとしても、人生が終わるときに「いい人生だった」と言えないではないか。
私は就職を決めた学生に、「一年後に自分の人生が終わるとしても、その会社を選びますか」という意地悪な質問をすることにしている。本当にその仕事に就きたいのか、というひとつの目安になるはずだと考えているからだ。
一年で死ぬのなら選ばないけれど、六十年後まで生きるなら選ぶというのであれば、その選択に疑問を感じてほしい。六十年後を想定してやりたくないことをやって、それでもし三年後に人生が終わってしまったら、死んでも死にきれないはずである。
「話すのが好き」イコール「接客業」は間違いである
人は誰しも、自分に合った仕事をしたいと思う。
しかし、どんな仕事が自分に合っているのか、それがわからない。
しかも仕事なんて、してみなければわからない。おおよそ、外から見えている部分と実際の業務との間には大きな隔たりがあると考えていいだろう。
就職活動をする学生や転職者が陥りがちなのが、「人と話すのが好きだから接客業を」という間違いである。
話し好きだったとしても接客業に向いていない場合がある。要するに、人と話すのが好きという人は、往々にしてただのおしゃべりであることが少なくない。
ただのおしゃべりというのは、必ずしも聞くのが好きとはいかないケースが多い。だから、接客の現場に出ても客の話をじっくり聞くことができない。
接客業に向いているのは「話し好き」の人ではなく、相手に喜んでもらうことに喜びを感じられる人なのだ。そこには話し好きも話下手も関係ないのである。
営業も同じで、人見知りをせず、誰とでもハキハキと明るく話せるという人が、必ずしも営業でいい成績を収めるとは限らない。一方的にハキハキと話し倒してしまうことで、相手は言いたいことも言えず、辟易《へきえき》してしまうかもしれない。
だから、営業マンには、誰とでも話せるという人よりは、人の話をじっくり聞ける、臆病なだけに相手の気持ちが読めてしまうというような人のほうが向いていたりする。
あるいは、本が好きという理由だけで、編集の仕事に向いているという考えも間違っている。
そうではなくて、たとえばすぐれた人の考え方や、自分が感動した人々のことを広く伝えたい、そうしたことを人に知ってもらうことに生きがいを感じるというのであれば、文章にかかわる仕事を選んでもいいかもしれない。
要は、自分の人生の貴重な時間を何かのために費やすとき、それによっていかに世の中のために役立ち、その対価としてお金をもらうことができるか、そして、その関係に満足して死ねるかという観点をもつことが大事なのである。
洋服が好きだからアパレル業界へ行くのか。旅行が好きだから旅行代理店を選ぶのか。話し好きだから、一生人と話し続けたら楽しいのか。文章が好きだから、文字を書き続けたら楽しいのか。どれも同じことである。
そうではないはずだ。やはり、それ以外の目的意識、充実感があってこそ、やるだけの意義が出てくるし、生きがいを感じるのである。
たとえば最近、花火職人になりたいという人が増えてきた。
それは、「手先が器用だから」とか「火薬を丸めるのが好きだから」という理由からではあるまい。その仕事によって、誰かを感動させたいと思うからやりたいのだ。
彫刻家にしても、彫るのが好きで好きでたまらないということではなく、それによって何かを表現したい、自分の人生を価値あるものにしたいがために彫るのだろう。
だから、自分の能力をあまり狭く考えずに、どこかに向いているものが必ずあるはずと考えたほうがいい。大学へ行ったこと、大学で学んだことにこだわらず、もっと広い範囲で選んでみることをおすすめする。
著者について
安田 佳生(やすだ よしお)
1965年大阪府堺市生まれ。18歳で渡米、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後、リクルートでの営業職を経て、90年株式会社ワイキューブ設立。社員数200名以下の中小・ベンチャー企業を中心に採用コンサルティング事業を展開。「採った人材を育てるのではなく、育つ人材を採るべきだ」という持論のもと、講演やセミナーを幅広く展開。船井総合研究所「ジュニアコスモスクラブ」講師、日経特別セミナー「経営に革新をもたらす人材戦略」講師他、人材を見極める確かなノウハウが、経営者やビジネスマン、そして学生からの絶大な支持を集めている。