出版社/著者からの内容紹介
日本の多くの会社が厳しい状況にある中で、アメリカの会社が一足早く苦境から脱出し復活している秘密とは?……それは、新たな経営手法「リエンジニアリング」の導入にあった! 業務や組織を抜本的に見直して再設計を行ない経営の効率を高める新手法の理解を深めて、リエンジニアリング・マインドあふれるエネルギッシュな社員になろう。
抄録(「電子書店パピレス」より)
6 リエンジニアリングの三つの領域
リエンジニアリングには、次の三つの領域がある。
(1) 部門内でのリエンジニアリング
この方法は、生産部門、営業部門、メンテナンス部門など、各部門内での仕事のやり方を見直し、再設計を行なうものである。
たとえば、営業部門であれば、受注→出荷→代金の回収に至るまでのビジネス・プロセスを見直し、より効率的な仕事の方法を考えるものである。
(2) 他の部門との間のリエンジニアリング
この方法は、生産部門と営業部門、営業部門とメンテナンス部門など、各部門間の仕事のやり方を見直し、再設計を行なうものである。
各部門の間にはそれぞれ大きな壁があり、各部門間には調整のためのコミュニケーション・コストがかかっているのが実情である。
そこで、少しでもコミュニケーション・コストを削減し、効率化を図ることが必要となる。最近、会社によっては生産と販売を一体化した「生販一体の組織づくり」が進んでいるが、まさに、この方向である。
以前のように各部門が対立している時代ではないので、各部門が一体化した相乗効果の生まれるビジネス・プロセスの確立が望まれる。
(3) 他の会社との間のリエンジニアリング
この方法は、他の会社との間での仕事のやり方を見直し、再設計を行なうものである。
会社は一社のみで活動することはあり得ず、仕入先や販売先など多くの会社との取引活動があり、これらの会社との相互の協力関係の上に成り立っている。
したがって、リエンジニアリングの推進において、自社だけのリエンジニアリングでは限界がある。他の会社との連携・協力関係を強化することによって、より高い成果をあげることが可能となる。
メーカーの場合は、販売店から販売情報を提供してもらうシステムづくりが考えられる。
●リエンジニアリングの領域●
他の会社との間のリエンジニアリング
┗他の部門との間のリエンジニアリング
┗部門内でのリエンジニアリング
7 仕事の順序を組み替える
リエンジニアリングの手法として、先に首尾一貫による方法を述べたが、仕事の順序を組み替えて効率化を図る方法もある。
いずれの業界にも仕事には一定の順序があり、その順序によって仕事をしているのが普通である。長年、それが当たり前と信じ、ひたすら、なんら疑問を持つことなく同じような順序・方法で仕事をしている。
しかし、時代の変化、消費者ニーズの変化によって、仕事の順序を変えたほうがよいケースがある。それによって、消費者ニーズに迅速に対応できる場合がある。このことから、仕事の順序にメスを入れ、順序を変更することも効果的な手法となる。
左図にあるように、従来の仕事の順序はA→B→C→Dであったのを、AをCのあとに持ってきて、B→C→A→Dというように組み替える方法である。
仕事の内容によっては、順序を替えても可能であったり、変更したほうが効率的になったりするケースさえある。このため、仕事の順序をゼロベースで見直し、順序を組み替えることも、リエンジニアリングの一つの狙い目である。
仕事の順序の組み替えで成功した例として、アパレル業界のケースがある。
アパレルの生産の順序として、昔は先に布地のカラーを決定してから布を織る“先染め”の方法をとっていた。
しかし、現在のように時代のテンポが速くなると、商品が完成したときにはカラーのニーズが変わって売れなくなることがある。特に、流行の変化の速い商品の場合は、流行遅れとなり、在庫の山となってしまう。
そこで、先に布を織り、あとで染色する“後染め”の方法をとることにしたのである。これによって、染色から販売までの期間が短くなり、消費者ニーズの変化に対応することができるようになったのだ。この手法をいち早く取り入れて成功したのが「ベネトン」である。
●仕事の順序の変更によるリエンジニアリング●
(リエンジニアリングの導入前)
A→B→C→D
(リエンジニアリングの導入後)
B→C→A→D
著者について
平島 廉久(ひらしま やすひさ)
経営評論家。
1943年徳島県生まれ。明治大学商学部,同大学院商学研究科修士課程を修了。産業能率短期大学講師を経て,現在,経営戦略,マーケティング戦略の専門家として執筆,講演・セミナー等で活躍中。
〈主な著書〉
『CSマインドの高め方』『CS&ES経営のすすめ』(清話会出版),『ポストバブルの消費キーワード50』(実業之日本社),『検証 視聴率』(日本能率協会マネジメントセンター),『「顧客満足」経営のすすめ方』『顧客満足経営成功のノウハウ』『小衆をつかむ』『個客をつかむ』『こんな会社なら人材が集まる』『やさしくわかるリエンジニアリング』(以上,日本実業出版社),『感動を呼ぶ販売術』(東急エージェンシー),『感動を売る』(世界文化社),『ことばの森』(二期出版),『「満足を売る!」商品企画の発想法』(実務教育出版)など多数。
はじめに
第1章 リエンジニアリングで会社が変わる
1 いま、パラダイム大転換の時代
2 世界に広がる「リエンジニアリング革命」
3 リエンジニアリングで劇的に仕事を効率化
4 リエンジニアリングは「第二の産業革命」
5 連続的フローのビジネス・プロセスへ
6 リエンジニアリングの三つの領域
7 仕事の順序を組み替える
8 コンカレント・エンジニアリング
9 情報技術・情報機器の積極活用を図る
10 一段と進展する会社の情報化
●第1章のポイント
第2章 リエンジニアリングはCSそのもの
1 リエンジニアリングの究極の目的はCS
2 顧客満足の追求からスタートする
3 真の顧客満足とは、なんなのか?
4 いらんお節介は、もうやめよう!
5 自社なりの個性をアピールする
6 顧客の期待をつかみ、的確に応える
●第2章のポイント
第3章 リエンジニアリングで仕事が変わる
1 リエンジニアリングのトライアングル
2 「部分最適化」から「全体最適化」へ
3 協調関係による「全体最適化」の実現
4 横断的な「自己完結型組織」の登場
5 求められるゼネラル・スペシャリスト
6 仕事を通じての自己実現の達成
7 自らすすんで情報技術能力を高める
8 「時間評価」から「業績評価」へ
●第3章のポイント
第4章 リエンジニアリングで自分が変わる
1 権限委譲に伴う判断力を養う
2 「野球型」から「サッカー型」へ
3 情報収集の三つの狙いどころ
4 リエンジニアリングのための創造力の育成
5 異質の発想を貧欲に吸収する
6 ベンチ・マーキングのすすめ
7 リエンジニアリングの三つの着眼点
8 コスト削減面から仕事のやり方を見直す
●第4章のポイント
第5章 リエンジニアリング・マインドあふれる社員に
1 なぜ、いまの方法で仕事をしているのか?
2 常識は時代とともに変わる
3 過去の慣習にとらわれず、ゼロ発想する
4 日本IBMの文書事務の見直し
5 過去の成功体験にとらわれない
6 スピードの追求を心がける
7 肩書にとらわれず、「できる社員」を目指す
8 モラルの高揚を目指す
●第5章のポイント