出版社/著者からの内容紹介
寿司屋イコール“高級でかたくるしい”というイメージを持ち、つい身構えてしまう方は多いだろう。しかしもともと握り寿司は江戸時代、ファストフードとして発達した食べ物。江戸前の魚を、よりおいしく食べるために考え出された庶民の味だ。
今や「Sushi」といえば、世界中で愛されている日本の代表食。その奥深〜い世界を覗いてみませんか? ネタ、シャリ、ワサビ、ガリ、お茶のウンチク。寿司の歴史に、地方色豊かな郷土寿司。そして寿司屋さんの経営の裏側にいたるまで、寿司のすべてを徹底的にさばいたこの本。寿司を食べるまえ、食べたあとにひもといて、頭にネタを仕込んでみてください!
抄録(「電子書店パピレス」より)
寿司を一カンずつ頼むのは邪道か?
カウンターでお好みで寿司を頼むと、きまって二カンずつ出てくる。だが、このネタは一カンでいいと思ったり、一カンずついろいろな種類のネタを食べたいと思ったことはないだろうか。
そうは思っても、一カンずつ頼むのは邪道(じゃどう)と思っている人が多いようだ。が、それは、客側の勝手な思い込みである。多くの店では、「一カンずつ」と注文すれば、一カンずつ握ってくれるものである。
そもそも、一度に二カンずつ出すのは、終戦直後、魚介類の種類のすくなかった頃からの習慣。かぎられたネタで満足してもらうために考え出されたものだった。その習慣が、現在までつづいているだけのことである。
店側の都合でいえば、二カンずつのほうが勘定が計算しやすいとか、客が多い場合、一カンずつでは応じきれないという事情もあるだろう。だからといって、一度に二カンを守らなければならないという義理はない。
店によっては、「ウチは、二カンしかダメ」というところもあるだろう。店の主人が頑固で、それがその店のルールならしたがうしかないが、そんなときでもふたりに二カンという注文には応じてくれるはずである。
男女のふたりづれには、二カンのうち一個ずつ食べて、多くの種類を注文するケースが増えている。
この方法なら、いろいろな魚の味が味わえるので、お試しを。
サビ抜きの寿司を頼むのは恥ずべきことか?
若い女性のなかには、たまに「すいません、ワサビ抜きでお願いします」という人がいる。こんなとき、寿司屋のおやじさんは、「あいよ」と機嫌よく答えているが、内心「ガキじゃあるまいし」と思っている人もいるはずである。
ゆっくり話を聞いてみると、「サビ抜きの寿司は、寿司じゃない」と考えている寿司職人が多いのだ。
ワサビのツンとくる刺激は、食欲を増進させる。しかも、カラシとちがって、あとにひかない辛さが淡泊な寿司にピッタリくる。本来、寿司飯もネタやワサビと合わせることを計算して仕込まれている。
さらに、ワサビには殺菌効果や防腐効果もあり、食当たりを防ぐ。生の魚を食べながら、寄生虫を駆除(くじょ)する作用も果たしている。
寿司職人にとってはワサビと一体になったものが寿司であり、ワサビ抜きは本当の味ではないのである。だから、子どもでも、できればワサビありの寿司を食べてほしいというのが本音だという。
いっぽう客側からいうと、ワサビを抜いてほしいという人のなかには、子どもの頃に粉ワサビで嫌いになった人がすくなくない。粉ワサビ独特のイヤな臭いをワサビの味と思い込んでいるのだ。そういう人には、本ワサビの味を教えてあげると、逆にワサビ好きになることもあるだろう。
ちなみに、粉ワサビは本ワサビを乾燥させたものと思っている人もいるかもしれないが、本当はまったくの別物。粉ワサビはワサビ大根を乾燥したもので、これに合成のからし粉、辛味をうすめるデンプン、緑色の合成着色料などを加えてつくられている。
本ワサビとくらべて値段が格安だから、チェーン店や回転寿司では粉ワサビをつかっているところも多い。
しかし本物の寿司職人にいわせれば、粉ワサビの寿司も、ワサビ抜きの寿司と同様、本当の寿司ではないそうである。
著者について
博学こだわり倶楽部(はくがくこだわりくらぶ)
互いの知識を深め合う、驚くほどの博学集団。メンバーは常人が気にもとめない世の森羅万象にこだわり、その解明のために東奔西走して追求する。著書には「ネコに遊んでもらう本1・2・3」「元祖! ラーメン本」「カラクリがズバリ!わかる本」「命にかかわるコワ〜イ話」「時刻表の楽しい読み方」「知りたかった博学知識シリーズ」などがある。