出版社/著者からの内容紹介
高麗朝および李朝で文武の官僚に任じられた、かつての特権的な両班(ヤンバン)階級は、一九一〇年の日韓併合後に昔日の力を失い、多くのものが没落した。しかし、出身地を示す郷貫と家系を示す族譜をもってその身分を誇るこの両班は決して封建時代の“遺物”ではない。長い歴史を有する両班支配の社会がはぐくんだエトスは、朝鮮人の意識と生活の隅々に今なお牢固として存続する。歴史と体験を混じえ、ヤンバン社会の生態を描き出す。
I ヤンバンとは
田舎儒生の孫として
ヤンバンとは何か
このすさまじきヤンバン志向
両班の産地・安東の風物
放蕩者・金竜煥の話
幽界の李退渓と柳成竜
ああ、祖先
II ヤンバンと族譜
大事な大事な族譜
わが家の族譜
チェサ、女の執念
チェサ、そのしがらみ
母と「有妻娶妻」
洪吉童の反逆
庶子悲話・憤話
「庶出に落す」
III ヤンバン・コンプレックス
チマパラム・ヤンバン
わがルーツ
ヤンバン・コンプレックス
IV ヤンバンと共産主義
共産主義者とヤンバン
両班儒生とコミュニストの息子
左右対立と、ヤンバンと常民の反目
解放後のヤンバンと常民
祖先顕彰というアリバイ作り
変わらぬ意識構造
――あとがきにかえて